上部から腰にかけて深い褐色から黒へと移ろう美しいグラデーションが印象的な、茶道具の水差薬缶です。「腰黒」とは利休好みとされる意匠で、素銅製の器の腰から下を黒く色付けし、日にかけて燻べた風情を表現した茶道具の伝統的なスタイルです。蓋と本体は優雅な曲線を描き、大きく弧を描く持ち手は銅特有の温かみのある色調で、全体に品格のある佇まいを見せています。未使用品で箱付きという状態は、茶席での使用を待ち続けてきた品としての価値を物語っています。茶道では水指（みずさし）の一種として、置水指の際に用いられる格式ある道具です。
詳細
腰黒の水差薬缶は、千利休の好みとして伝わる茶道具で、素銅の上部が持つ赤褐色の温かみと、腰から下部にかけて施された黒の色付けが織りなす対比が特徴です。この色付けは、長年火にかけて使い込まれた道具が自然に燻べた風合いを意図的に表現したもので、侘び寂びの美意識を体現しています。銅製の器は熱伝導が良く、水の温度を適度に保つ性質があり、茶席で実用的な役割を果たします。注ぎ口には蓋が付いており、水を注ぐ際の所作を美しく見せると共に、埃などの混入を防ぎます。持ち手は大きく弧を描き、安定して持ち運べる工夫がなされています。
おすすめの用途
茶道の点前において、置水指として水指に水を補給する際に用いる道具です。銅製であることから鉄瓶ほどの重さがなく、扱いやすさも備えています。未使用品ですので、これから茶道を本格的に学ばれる方、または格式ある茶会のために道具を揃えたい方に相応しい品です。腰黒という利休好みの意匠は、茶席に侘びた風情をもたらし、拝見の際にも客人の心を惹きつけます。使用しない時は、茶室や和室の棚に飾ることで、それ自体が美しい工芸品として空間を彩ります。
インテリアコーディネート提案
【和モダンスタイル】
白壁の茶室や和室の棚に飾ることで、銅の温かみのある色調と黒のグラデーションが空間に落ち着きをもたらします。竹や漆器といった伝統的な素材と組み合わせることで、現代的な和の美意識を表現できます。
【モダンスタイル】
あえて現代的なミニマルな空間に配することで、伝統工芸の持つ造形美が際立ちます。ガラスやコンクリートといった現代素材とのコントラストが、銅の質感と腰黒の意匠を一層引き立て、アートオブジェとしての魅力を発揮します。
品質・状態について
リユース品のため、新品と比較して使用感がございます。
リペア痕や経年変化による色ムラがある場合があります。
使用に伴う小傷や擦れ跡がある場合がありますが、使用に支障はありません。
写真と実物の色調に若干の差異がある場合があります。