美濃古窯の伝統を受け継ぐ桔梗屋窯、桑原小三郎氏による志野焼の花生です。専用の木箱に収められた本作は、桃山時代から続く志野焼の精神を現代に伝える作品となっています。
志野焼最大の魅力である柔らかな白釉が全体を覆い、まるで雪が降り積もったような温かみのある表情を生み出しています。表面には細かな気泡や貫入が無数に入り、焼成時の炎が生み出した自然な景色が広がります。淡い緑やピンクがかったグレーの色彩が部分的に現れ、これは長石釉が窯の中で微妙に変化した結果です。まさに一期一会、二度と同じものが作れない焼き物の醍醐味が凝縮されています。
丸く膨らんだボディに小さく開いた口元を持つフォルムは、侘び寂びの美学を体現しています。表面の粗い質感と柔らかな曲線が、素朴でありながら洗練された美しさを湛えています。桔梗屋窯のシールが貼られ、作家の確かな技術を証明しています。
おすすめの使用方法・用途
一輪挿しとして季節の枝花や野の花を生けることで、志野焼の素朴な美しさが花の美しさを引き立てます。茶花として椿や水仙を生ければ、茶室の静謐な雰囲気を演出できるでしょう。
花を生けない時でも、その存在だけで空間に侘び寂びの美意識をもたらします。床の間や飾り棚、リビングのサイドボードに置けば、日本の伝統美が凝縮されたオブジェとして機能します。志野焼特有の温かみのある白が、見る角度や光の当たり方によって表情を変え、飽きることのない美しさを楽しめます。陶芸愛好家のコレクションとしても価値が高く、専用箱付きなので大切に保管できます。
インテリアコーディネート提案
茶室・和モダン空間では、床の間や違い棚に配して、掛け軸や季節の茶花とともに飾ることで、桃山時代から続く日本の美意識を体現できます。畳や障子、土壁といった伝統的な素材と組み合わせれば、志野焼の持つ侘び寂びの精神がより深く伝わります。間接照明で柔らかく照らせば、白釉の温かな表情が浮かび上がり、静謐な美しさに包まれます。
ミニマルモダンなリビングなら、白い壁やシンプルな北欧家具との組み合わせで、伝統工芸が現代空間に溶け込む新しいスタイルが生まれます。ナチュラルウッドの飾り棚やリネンのファブリックと並べれば、志野焼の素朴な質感が自然素材と呼応し、温もりのある洗練された空間が完成します。ドライフラワーやグリーンと合わせても美しく映えるでしょう。
品質・状態について
リユース品のため、新品と比較して使用感がございます。
リペア痕や経年変化による色ムラがある場合があります。
使用に伴う小傷や擦れ跡がある場合がありますが、使用に支障はありません。
写真と実物の色調に若干の差異がある場合があります。